歌詞和訳 spinel7se

好きな洋楽の歌詞を和訳します。詳しい方の意見歓迎。

【歌詞和訳】Eels - Spunky

youtu.be

Spunky don't like her uniform
It never fit so good
Goin' back to the orphanage
And the place where her garage once stood

Spunkyは彼女の制服が好きじゃない*1
全然合わないし
そして孤児院へ帰っていく
かつて彼女のガレージがあった場所へ

Well it's a free for all, free for all, free for all
It's a free for all, you and me
And if you don't like what they're telling you
You can't teach a blind man to see
Well I can see

なんでもあり なんでもあり なんでもありだよ
なんでもあり 君と僕で
嫌なことを言われたとしても
目の見えない人に見るように教えることはできないよ*2
僕は目が見えるけどね

Spunky looks good in her bright red wig
Eating chocolate-chip mint ice cream
A cat named Lola with a violent past
Is balled up asleep 'cross her knees

明るい赤のウィッグがSpunkyに似合ってる
チョコミントのアイスクリームを食べて
ローラという猫には辛い過去がある*3
今は彼女の膝の上で丸くなって眠っている

And it's a free for all, free for all, free for all
It's a free for all, you and me
One day the world will be ready for you
And wonder how they didn't see

なんでもあり なんでもあり なんでもありだよ
なんでもあり 君と僕で
いつか世界が君を受け入れはじめる
そしてどうして見ずにいられたか不思議がるだろう

Spunky knows she can save the world
In her own little way
Turning in her old uniform
'Cause you know, it really didn't pay

Spunkyは自分が世界を救えると知っている
彼女なりのささいなやり方で
そして彼女は古い制服を返す
だってそれはとても割に合わないから

'Cause it's a free for all, free for all, free for all
It's a free for all, you and me
I walk through the world with your name on my tongue
And your picture etched on my screen
なんでもあり なんでもあり なんでもありだから
なんでもあり 君と僕で
君の名前を呟きながらこの世界を歩いていくよ
目に刻まれた君の姿とともに

【感想】
生きにくさを抱える人に「理解してくれる人はどこかにいる」「人は変われる」と励ます内容に捉えることもできるが、個人的な見解としては、「制服を返した」(=生きるのをやめた)"Spunky"を悼む歌ではないかと考える。"A violent past(暴力的な過去)"があり、通常であれば人に懐くとは考えにくい猫のローラが懐いているのも、世間の人間から離れてしまった感じがあり、"Spunky"の破滅を予感させはしないか。
作曲者であるEelsのEは、1996年に姉を自死で亡くしている。この曲が含まれているアルバム『Beautiful Freak』が発表されたのは1996年である。Eels公式サイトのバイオグラフィーのよれば、このアルバムの大部分は1993年から1995年にかけてレコーディングされたとのことであるから、時系列的にはこの曲が出来た方が先かもしれないが、もしかしたらEの頭の片隅に精神的に不安定な姉の姿があったのではないか。Eelsというバンドの他に類を見ない沈鬱さを思うと、そのようなことを考えずにはいられない。

*1:"Spunky"は勇敢とか快活とかポジティブな意味の形容詞だが、この曲中では固有名詞。

*2:「分からない人には言っても無駄」というニュアンスか。

*3:"a violent past"(暴力的な過去)は、前の飼い主に虐待されていたともとれるし、野良猫として生存競争をしてきたともとれる。両方に読み取れる余地を残したまま詩的な訳をするのが難しい。